物心が付いた頃には、実家には犬がいた
雑種の 「コロ」 という名前の犬
実家は自営業をしており、その倉庫の中に犬小屋があった
今は犬を室内で飼うのが常識ではあるが、
その当時は外で飼うのが当たり前。
そう考えるとまだ良かったのかもしれない、雨、風は一応塞げていたのだから

学校から帰って宿題もしない、すぐに遊びに行く。
遊び終え、家に帰ってきてから
私が散歩に連れて行く、遊び疲れている私は
妹の三輪車に「コロ」をつないで引っ張らせる
今考えればヒドイ散歩をしていたもんだ
それでも散歩と分かると、嬉しそうに尻尾を振って喜んでいた

そんなある日、学校から帰ると「コロ」がいなかった
母に「コロは?」と聞くと、病気になり亡くなったことを聞かされた
その時、泣いたかどうかは思い出せない
きっと泣いたと思う。
泣いた事は思い出せないが、今でも散歩に行く前の「コロ」が尻尾を振っている姿は覚えている

つづく…